凛の趣味アトリエ

趣味で創作したものを少しづつ書いていきます

【小説】学園バトルロワイヤル!【2話】

ーキーンコーンカーンコーン
  キーンコーンカーンコーン

【ジジッ…ジジジッ…】

教室のスピーカーから不具合を示す電子音が聞こえる。
【アー、テス…テス…テテステ…スト…テステス。
コーナイホーソ。テステ…テテテテス…】

声の高い男が話しているようだ。
あまり上手ではない言葉で気味の悪いリズムで語っている。
周りのざわつきが一気になくなる。

すると、突然女性の声に変わった。
【ハーイ☆
校内の皆さんおはようございまーす☆
今日集まってもらったのは、皆さんにゲームをしてもらうためでーす☆
ゲームの説明はセバスチャンおねがいしまーす☆】

 

甲高い女性の声から
年配の男性の声に切り替わる

【ご紹介に預かりましたセバスチャンであります。
ゲームとは
「記憶を取り戻し、この学校から出る」
というとても簡単なものであります。

あなた方の記憶はゲームの邪魔になると判断したため、消させていただいております。
ちなみに、校内のあなた方は言うなれば監禁されているのでありまして、
窓を見ていただければわかるとおり全部のシャッターがしまっております。

あなたがた人間の力では到底壊すどころか傷一つ付けることが出来ないのであります。

脱出する方法はただ一つ。

戦いをすることです。】

 

教室が、ざわつき始める。
ある男が教室のカーテンを開ける。
窓の方を見ると取っ手も鍵もついていないシャッターがされていて、近くの男たちが窓を開けようとしたり、蹴ったりもするがビクともしない。

放送でセバスチャンという男は続けて話す。
【左手首をご覧なさい。それは、生命時計と言いまして、
そこに表示されているのはあなた方のポイントである。】

左手の方に目を向けると腕時計のようなものが付いている。
時計の円盤部分には、ボタンが一つと細長い黒い画面が付いている。

ボタンを押してみると、黒い画面が光り、画面の上に立体に映像が出てくる。
いろいろな項目があったが、右下にポイントが書かれていた。
(120P…120ポイントって感じか…
ポイントの下に何か…あと9880P?)

それを見て察した。

【10000ポイント貯める事でこの建物から脱出できるのであります。】

 

【ポイントを貯める方法は、

1.我々の出すミッションをクリアする事。
2.戦いをして、相手のポイントを奪う事。
3.自動換算機にポイントとなる物を入れ、ポイントを生命時計に入れる事。

以上3つである。】


窓に向かって蹴りを入れていた男が苛立ち始める。
『ふざけんな!
ここから出しやがれ!』

先ほどの放送の声が強く反応する
【お静かに!!机に座りなさい!!
その部屋にはカメラとマイクがついているのだ。こちらには全てが丸見えである。今すぐ八つ裂きにしてもいいんーー】

放送の声が切り替わる。
今度は若い男の声のようだ。

【まあ、セバス。
まず、状況を教えてやったほうがいい。

やあ、諸君。
まず記憶を少しだけ取り戻させてあげよう。】

若い男がそう言うと、スピーカーから耳鳴りのような音が聞こえてきた。

【ーキーーーーン】
『何これっ。
頭、痛くない?』
ある女性がつぶやく。

【ーキーーーーキーーーーーン】

音が強くなる。

(っ!! 頭が割れる!!)
手で頭を押さえる。

教室が騒ぎ出す。

【キーーーーーーーーーーーーーン】

(意識がっ!!飛びそうだ!)

教室の中から声が消えていく。


【キーーー--- 】


僕は意識を失った